《働き方改革関連法セルフチェックに当たってご留意いただきたい点》

  • 1 法律の条文によっては、事業場の労働者数や業種などで規制内容が異なるものがあります。複数の事業場を有する場合には、特定の事業場を対象にしてセルフチェックを行ってください。
  • 2 働き方改革関連法により8本の法律について主要な改正が行われておりますが、その施行期日は、法律の規定や企業規模等によって異なっているため、評価コメント等でご確認ください。
  • 3 設問に回答するごとに、セルフチェック結果が表示されます。「評価コメント」は、「基本情報」と併せてお読みいただくと、より的確に理解できます。なお、より詳しい情報について知りたい場合には、「参考・支援情報」をご覧ください。
  • 4 評価は、限られた情報の中のものであり、実態に即した正確なものとならない場合もあります。評価コメントには、そのような限界があるということをご理解ただいたうえで、今後の労働環境の整備等のご参考にしていただければ幸いです。
  • 5 このセルフチェック中に使っている用語の意味は、以下のとおりです。
    • ① 労使協定:事業主等と当該事業所の過半数を組織する労働組合(当該労働組合がない場合には、当該事業所の労働者の過半数を代表する者)との間で締結する書面による協定をいいます。
    • ② 就業規則など:就業規則とそれに準ずるもの、または労働契約書、労働条件通知書などをいいます。
    • ③ 法令略称
      • 働き方改革関連法:働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律
      • 労基法:労働基準法
      • 労基則:労働基準法施行規則
      • 労働時間等設定改善法:労働時間等の設定の改善に関する特別措置法
      • 労働時間等見直しガイドライン:(労働時間等設定改善指針)
      • 労契法:労働契約法
      • 安衛法:労働安全衛生法
      • 安衛則:労働安全衛生法施行規則
      • 育介法:育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律
      • パート法:短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律
      • パート有期労働法:短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律
      • 同一労働同一賃金ガイドライン:短時間・有期雇用労働者及び派遣労働者に対する不合理な待遇の禁止等に関する指針
      • 労働施策総合推進法:労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律
      • 労働者派遣法:労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律
      • 労働者派遣規則:労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律施行規則
  • 6 このセルフチェックは、原則として、令和元年10月1日時点で施行されている法令等及び改正され施行が予定されている法令等に基づくものです。

【法改正全般】
働き方改革関連法が2018年(平成30年)7月6日に公布され、順次施行されていますが、その改正内容に対応していますか?


評価コメント
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改正事項については、それぞれ施行日が定められています。中小企業には一部の事項について猶予期間が設けられているものもあります。1の場合 は引き続き対応ください。2の場合は、早急に改正の内容を把握し、法違反にならないよう対応することが必要です。

中小企業とは、「資本金の額または出資の総額」か「常時使用する労働者の数」のいずれかが以下の基準を満たしていれば、中小企業に該当すると判断されます。事業場単位ではなく、企業単位で判断されます。

基本情報

1 少子高齢化が進展し、今後さらに生産年齢人口の減少が見込まれる中で、労働生産性を向上させるとともに、労働者がそれぞれの事情に応じた多様な働き方を選択できる社会を実現する働き方改革が重要課題となっていることから、政労使のトップと有識者が参集した働き方改革実現会議において合意形成が行われた上で、2018年(平成30年)4月に働き方改革関連法案が国会に提出され、同年6月に可決成立し、同年7月6日に公布されました。
 この働き方改革関連法は、長時間労働の是正・多様で柔軟な働き方の実現・雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保等を目的とし、8本の法律改正を一括して行ったものです。

2 主な改正事項は、次のとおりです。
(1)働き方改革の総合的かつ継続的な推進(雇用対策法の名称変更・内容改正)
法律の名称を「雇用対策法」から「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律」(労働施策総合推進法)に改正し、働き方改革に係る基本的考え方を明らかにするとともに、国は、改革を総合的かつ継続的に推進するための「基本方針」を定めることとする。

(2)労働時間等に関する制度の見直し(労働基準法の改正)
①時間外労働の上限について、月45時間以内、年360時間以内を原則とし、臨時的な特別の事情がある場合でも年720時間以内、月45時間を超える月は年6か月以内、単月100時間未満(休日労働含む)、複数月平均80時間以内(休日労働含む)を限度とする。(問2参照)
②使用者は、年次有給休暇(以下「年休」といいます。)が10日以上付与される労働者については、年5日の年休について時季を指定して与えなければならないこととする。(問3参照)
③フレックスタイム制の清算期間の上限を1か月から3か月に延長する。(問6参照)
④高度プロフェッショナル制度を創設し、健康確保措置を講じた上で、労基法で定める労働時間等に関する規定について適用を除外する。

(3)勤務間インターバル制度の導入促進(労働時間等設定改善法の改正)
前日の終業時刻と翌日の始業時刻の間に一定時間の休息を確保する勤務間インターバル制度の導入に努めなければならないこととする。(問5参照)

(4)過重労働対策、産業保健機能の強化(労働安全衛生法、じん肺法の改正)
①過重労働による健康障害防止のための医師による面接指導の対象者を、週当たり40時間を超える労働時間が「月100時間超」から「月80時間超」の労働者に拡大する。(問4参照)
②健康確保の実効性を確保する観点から、労働時間の状況を客観的な方法等により把握しなければならないこととする。
③産業医に対しその業務を適切に行うために必要な情報を提供することとする。(問7参照)

(5)雇用形態に関わらない公正な待遇の確保(有期雇用労働者も法の対象とし、パート法の名称を変更・内容改正、労働契約法20条をパート・有期法8条に統合、労働者派遣法改正)
①パートタイム労働者、有期雇用労働者について通常の労働者との間の不合理な待遇の相違を禁止し、均等・均衡待遇を確保することとする。
②派遣労働者について、派遣先の労働者との均等・均衡待遇か、一定の要件を満たす労使協定による待遇のいずれかを確保することとする。(問10参照)
③パートタイム労働者・有期雇用労働者・派遣労働者について、通常の労働者との待遇差の内容・理由等について説明する義務を創設する。
④行政による履行確保措置及び裁判外紛争解決手続(行政ADR)を整備する。

(6)中小企業における割増賃金率の猶予措置の廃止(労働基準法の改正)
月60時間超の時間外労働に係る割増賃金率(50%以上)についての中小企業における猶予措置(25%以上)を廃止する。(問11参照)

3 働き方改革関連法については、それぞれに施行日が定められており、中小企業には一部の事項について猶予期間が設けられているものがありますが、主な項目について図示すると次のとおりです。

参考・支援情報

●働き方改革関連法の詳しい内容については、下記の厚生労働省HPを参照してください。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000148322_00001.html

●働き方改革の特設サイトが設けられていますので、下記の厚生労働省HP を参照してください。
https://www.mhlw.go.jp/hatarakikata/

●中小企業・小規模事業者に対する働き方改革推進支援センターが設けられていますので、下記の厚生労働省HPを参照してください。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198331.html

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【時間外労働等の上限規制】
時間外労働等の上限が法定され、これに反すると罰則が適用される等長時間労働の是正を図る法改正がされていますが、これに対応していますか。


評価コメント
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 時間外労働の上限規制が、大企業には2019年(平成31年)4月から 中小企業には2020年(令和2年)4月から適用されます。
 中小企業であれば、1の場合は、引き続き法違反にならないようにご留意ください。2の場合は、改正法の施行に間に合うように計画的に対応してください。
 大企業であれば、1の場合は引き続き法違反にならないようにご留意ください。2の場合には、法違反にならないよう早急に対応することが必要です。
基本情報
1 今回の労働基準法の改正によって、これまで告示にとどまっていた時間外労働の上限が、罰則付きで法律に規定されました。
今回の改正によって、法律上、時間外労働の上限は原則として月45時間・年360時間となり、臨時的な特別の事情がなければこれを超えることができなくなりました。

この「 臨時的な特別の事情があって労使が合意する場合(特別条項)」でも、以下の点を守らなければなりません。

・時間外労働が年720時間以内
・時間外労働と休日労働の合計が月100時間未満
・時間外労働と休日労働の合計について、「2か月平均」「3か月平均」「4か月平均」「5か月平均」「6か月平均」が全て1月当たり80時間以内
・時間外労働が月45時間を超えることができるのは、年6か月が限度

上記に違反した場合には、罰則(6か月以下の懲役または30万円以下の罰金)が科されるおそれがあります。

2 上限規制の施行は2019年(平成31年)4月1日ですが、中小企業に対しては1年間猶予され2020年(令和2年)4月1日からとなります。
中小企業の範囲については、「資本金の額または出資の総額」又は「常時使用する労働者の数」のいずれかが以下の基準を満たしていれば、中小企業に該当すると判断されます。事業場単位ではなく、企業単位で判断されます。
なお、施行に当たっては経過措置が設けられており、2019年(平成31年)4月1日(中小企業は2020年(令和2年)4月1日)以後の期間のみを定めた36協定に対して上限規制が適用されます。2019年(平成31年)3月31日(中小企業は2020年(令和2年)3月31日)を含む期間について定めた36協定については、その協定の初日から1年間は引き続き有効となり、上限規制は適用されません。

3 以下の事業・業務については、上限規制の適用が5年間猶予されます。

4 新技術・新商品等の研究開発業務については、上限規制の適用が除外されています。
なお、今回の法改正によって労働安全衛生法が改正され、新技術・新商品等の研究開発業務については、 週当たり 40 時間を超えて労働した時間が月 100 時間を超えた労働者に対しては、過重労働による健康障害防止のための医師の面接指導が罰則付きで義務付けられました。
事業者は、面接指導を行った医師の意見を勘案し、必要があるときには就業場所の変更や職務内容の変更、有給休暇の付与などの措置を講じなければなりません。
参考・支援情報
● 時間外・休日労働に関する協定届(36協定)の様式も改正されました。
新しい様式は、以下のURLからダウンロードすることができます。
「「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000148322_00001.html#h2_free6

● 時間外労働の上限規制についてパンフレットが作成されています。
「時間外労働の上限規制 わかりやすい解説」
https://www.mhlw.go.jp/content/000463185.pdf
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【年休の時季指定】
年次有給休暇の確実な取得を図るため、年次有給休暇を最低年5日取得させることを義務づける法改正がされていますが、これに対応していますか。


評価コメント
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 年次有給休暇の5日付与の改正は、2019年(平成31年)4月1日から施行されています。
 1の場合は引き続き法違反にならないようにご留意ください。2の場合は、法違反が生じないよう早急に対応することが必要です。
基本情報
1 年次有給休暇を最低年5日取得させることを義務付ける法改正
(1)年次有給休暇(以下「年休」といいます。)の取得率が低迷していること、正社員の約16%が年休を1日も取得していないこと、ほとんど年休を取得していない労働者は長時間労働者である比率が高いことを踏まえ、年5日以上の年休の取得が確実に進むよう、会社による時季指定の仕組みが、2019年(平成31年)4月から導入されました。

(2)会社は、法定の年休付与日数が10日以上の全ての労働者に対し、毎年、そのうちの5日間については、基準日(年休を付与した日)から1年以内の期間に、時季を指定して年休を取得させることが義務付けられました(労基法39⑦、⑧)。
これに違反した場合には、罰則(30万円以下の罰金)が科されるおそれがあります。

(3)改正規定は、大企業、中小企業を問わず、全ての会社に適用されます。中小企業に対する適用猶予はありませんので、この点注意が必要です。

2 法改正に対応するため法令上対応しなければならない会社の取組
(1)就業規則の改正と届出(労基法89、90)
休暇に関する事項は就業規則の絶対的必要記載事項です。常時10人以上の労働者を使用する事業場では、時季指定の実施について就業規則に記載し、その変更を所轄労基署に届け出なければなりません。企業単位ではなく、事業場単位で判断されます
なお、休暇に関する事項は、雇入れ時に必ず明示しなければならない事項でもありますので、就業規則を示して明示する場合などには注意する必要があります(労基法15①)。

(2)年次有給休暇管理簿の作成と保存(労基則24の7、55の2)
年次有給休暇管理簿とは、時季(年休を取得した日付)、日数(基準日から1年以内の期間における年休取得日数)及び基準日(年休を付与した日)を明らかにした書類です。会社は、労働者ごとにこれを作成し、3年間保存しなければなりません。

(3)改正規定、改正した就業規則の労働者への周知(労基法106①)
改正規定や改正した就業規則は、常時各作業場の見やすい場所へ掲示し、又は備え付けること、書面を交付するなどの方法によって、労働者に周知しなければなりません。
参考・支援情報
● 年休とは
(1)正社員、パートなどの区分に関係なく、2つの要件(①雇入れ日から6か月間継続して雇われていること、②全労働日の8割以上出勤していること)を満たした全ての労働者に、年休は付与されます。

(2)付与日数
① 通常の労働者

② 週所定労働日数が4日以下かつ週所定労働時間が30時間未満の労働者
年間所定労働日数が216日以下の労働者(週以外の期間によって労働日数が定められている場合)
(※)週以外の期間によって労働日数が定められている場合。

●毎年5日以上の年休の確実な取得
(1)会社による時季指定と時季指定が不要となる場合(労基法39⑦、⑧)
① 会社による時季指定
労働者の個人的事由による一定の取得日数を留保する観点から、5日を超える日数の時季指定はできないことに注意が必要です。
時季指定に当たっては、会社は労働者の意見を聴取しなければならず(労基則24の6①)、できる限り労働者の希望に沿った取得時季になるよう、意見を尊重するよう努めなければなりません(労基則24の6②)。なお、一度指定した時季について、再度の意見聴取を行い、その意見を尊重することによって変更することは可能です。
時季指定の方法としては、例えば、(ⅰ)年度当初に労働者の意見を聴いて年休取得計画表を作成し、これに基づいて年休を付与する方法、(ⅱ)基準日から半年後など一定の時期に、年休の請求・取得日数が5日未満となっている労働者に対して、時季指定し年休を付与する方法などが考えられます。

② 時季指定が不要となる場合
労働者が自ら時季指定して取得した場合や計画的付与制度により取得した場合には、当該取得済みの日数分(前年度からの繰越分の取得した日数も含みます。)については、会社による時季指定は不要となります(労基法39⑧)。

③ 5日の時季指定義務がかかる1年間の期間
年休をいつ付与するかは、各社各様です。法定の基準日以外の場合は、いつからの1年以内に5日の年休を取得させなければならないかなどの問題が生じます。この取扱いは次のとおりです。

ⅰ 10日以上の年休を、法定の基準日より前倒しで付与する場合
(ⅰ)10日以上の年休を、法定の基準日(雇入れ日から6か月後)ではなく、例えば雇入れ日の4/1に前倒しで付与した場合
 前倒して付与した日から1年以内となります(労基則24の5①)。
(ⅱ)10日のうち一部を、法定の基準日より前倒しで付与する場合
 付与日数の合計が10日に達した日から1年以内となります(労基則24の5④)。

ⅱ 入社年とその翌年で年休の付与日が異なる場合
 この場合は、それぞれの付与日からの1年の期間に重複する期間が生じます。
 例えば、入社年の付与日は10/1、翌年の付与日は4/1の場合。5日の時季指定義務がかかる1年間の期間は、入社年は10/1から翌年の9/30まで、翌年は4/1から  翌々年の3/31までとなり、翌年の4/1から9/30までの6か間が重複します。
 この場合は、入社年の期間の始期(10月)から翌年の期間の終期(翌々年の3月)までの18か月間の長さに応じた日数7.5日(比例按分した日数。18か月÷12✕5日=7.5日)を当該期間に取得させることも可能です(労基則24の5②)。
(下図参照)


(2)法定の年休付与日数が10日以上の全ての労働者
① 法定の年休付与日数が10日以上とは、その年に新たに付与された年休の日数が10日以上ということです。前年から繰り越された年休の日数はカウントされません。
② 全ての労働者とは、通常の労働者(管理監督者も含まれます。)のほか、パートタイム労働者等週の所定労働日数が少ない労働者であっても、年10日以上の年休が付与される労働者は対象となります(上記1の(2)の②の表の太枠内参照)。

(3)半日単位の年休、時間単位の年休、会社独自の特別休暇と時季指定との関係
① 半日単位による年休の付与については、労働者がその取得を希望して時季を指定し、これに会社が同意した場合に、本来の年休の取得の阻害とならない範囲で運用される限りにおいて、問題がないものとして取り扱うこととされています。
この取扱に沿って、半日単位の年休を取得した場合については、労基法39⑧の年休を与えた場合として取り扱っても差し支えありません。また、会社による時季指定を半日単位で行うことも可能です。半日の年休は、0.5日として取り扱います。
② これに対し、時間単位の年休の取得分については、確実な取得が必要な5日間から差し引くことはできません。
③ また、会社が独自に設けている法定の年休と異なる特別休暇を取得した日数分についても、5日間から差し引くことはできません。

(4)年次有給休暇管理簿による年休管理(時季、日数、基準日管理)
① 労働者ごとに明らかにする「日数」とは実際に年休を取得した日数で、半日単位で取得した回数及び時間単位で取得した時間数を含みます。
② 労働者ごとに明らかにする「基準日」ですが、法定の基準日は、雇入れ日に応じて労働者ごとに決まります(4/1入社の場合は10/1、6/1入社の場合は12/1が基準日)。
労働者ごとに雇入れ日が異なる場合は、基準日も労働者ごとに異なります。5日の年休は、基準日から1年以内の期間に取得させなければならないので、それぞれの基準日から1年以内に確実に取得されているかという細やかな管理が必要となってきます。管理をしやすくするための方法として、次の2つの方法が考えられます。

・方法1(人員規模が大きな会社や新卒一括採用をしている会社などに有効)
基準日を1つにまとめる方法。例えば、年始(1/1)や年度始め(4/1)に基準日を統一することで、より多くの従業員を統一的に管理することが可能となります。

・方法2(中途採用を行っている会社や比較的小規模な会社などに有効)
雇入れが月の途中であっても、基準日を月初などに統一する方法。例えば、同じ月に採用した従業員の基準日を月初に統一することにより、統一的に管理することが可能となります。

③ 年次有給休暇管理簿は、労働者名簿または賃金台帳とあわせて調製することも、また、いつでも出力できる仕組みとした上で、システム上で管理することも可能です。

● 厚生労働省作成リーフレットなど
(1)法改正に関する詳細については、次をご覧下さい。
https://www.mhlw.go.jp/content/000463186.pdf(「年5日の年次有給休暇の確実な取得 わかりやすい解説」)

(2)改正労基法の施行通達は、次をご覧下さい。
https://www.mhlw.go.jp/content/000465064.pdf

(3)改正労基法に関するQ&Aは、次をご覧下さい。
https://www.mhlw.go.jp/content/000487097.pdf

(4)年休取得促進特設サイトが開設されています。時間単位の年休や計画年休制度の解説もあります。
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/jikan/sokushin/index.html

(5)働き方や休み方について自己診断で見える化し、時間外労働の削減や年休の取得促進を図ることを目的した働き方・休み方改善ポータルサイトが開設されています。
https://work-holiday.mhlw.go.jp/

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【面接指導】
過重労働対策として医師による面接指導の対象者を拡大する等の法改正がされていますが、これに対応していますか。


評価コメント
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 労働安全衛生法の改正により、2019年(平成31年)4月1日から、面接指導の対象となる労働者の要件が、「時間外・休日労働時間が1月当たり80時間を超え、かつ疲労の蓄積が認められる者」に拡大されました。
 1の場合には、引き続き法違反にならないようにご留意ください。2の場合は、法違反にならないように早急に対応することが必要です。
基本情報
1 労働安全衛生法の改正により、2019年(平成31年)4月1日から、面接指導の対象となる労働者の要件が、週当たり40時間超の労働時間が1月当たり「100時間超」から「80時間超」に拡大されました。面接指導は、この要件に該当する労働者からの申出があった場合には必ず行わなければなりません。

2 事業者は、適切に面接指導を実施するため、タイムカードによる記録、パーソナルコンピュータ等の電子計算機の使用時間(ログインからログアウトまでの時間)の記録等の客観的な方法その他の適切な方法により、労働者の労働時間の状況を把握しなければなりません。派遣労働者については、派遣先事業者が労働時間の状況を把握し、派遣元事業者が面接指導等を行わなければなりません。
 また、事業者は、これらの方法により把握した労働時間の状況の記録を作成し、3年間保存するための必要な措置を講じなければなりません。
 事業者は、時間外・休日労働時間の算定を行ったときは、当該超えた時間が1月当たり80時間を超えた労働者本人に対して、速やかに当該超えた時間に関する情報を通知しなければなりません。
 この通知は、高度プロフェッショナル制度の対象労働者を除き、管理監督者、事業場外労働のみなし労働時間制の適用者を含めた全ての労働者に適用されます。

3 研究開発業務従事者については、時間外労働の上限規制の適用が除外されていますが、事業者は、週当たり40時間超の労働時間が1月当たり100時間を超える研究開発業務従事者に対しては、従業員の申出なしに医師による面接指導を行わなければなりません。

4 事業者は、高度プロフェッショナル制度対象労働者については、健康管理時間が週当たり40時間超の時間が1月当たり100時間を超える者に対しては申出なしに医師による面接指導を行わなければなりません。
健康管理時間とは、「事業場内にいた時間+事業場外で労働した時間」で、タイムカードやパソコンの使用時間等により客観的に把握しなければなりません。

5 平成31年4月1日付けで「過重労働による健康障害防止のための総合対策」が改正されました。面接指導について、上記の法定の義務に加えて、以下のような措置が「過重労働による健康障害を防止するため事業者が講ずべき措置」として定められています。

● 時間外・休日労働時間が1か月当たり 80 時間を超える労働者については、申出がない場合であっても面接指導等を実施するよう努めるものとする。
● 時間外・休日労働時間が1か月当たり 45 時間を超える労働者で、健康への配慮が必要と認めた者については、面接指導等の措置を講ずることが望ましいものとする。
● 時間外・休日労働時間が1か月当たり 80 時間を超え 100 時間を超えない研究開発業務従事者については、申出がない場合であっても面接指導等を実施するよう努めるものとする。
● 時間外・休日労働時間が1か月当たり 45 時間を超える研究開発業務従事者で、健康への配慮が必要と認めた者については、面接指導等の措置を講ずることが望ましいものとする。
● 1週間当たりの健康管理時間が、40 時間を超えた場合におけるその超えた時間について、1か月当たり 100 時間を超えない高度プロフェッショナル制度適用者であって、申出を行った者については、医師による面接指導を実施するよう努めるものとする。
参考・支援情報
【参考・支援情報】
● 労働安全衛生法の改正についてパンフレットが作成されています。
 「働き方改革関連法により2019年4月1日から「産業医・産業保健機能」と「長時間労働者に対する面接指導等」が強化されます」
https://www.mhlw.go.jp/content/000497962.pdf
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【勤務間インターバル制度】
勤務間インターバル制度の導入促進を図るため、労働時間等設定改善法が改正されていますが、これに対応していますか。


評価コメント
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勤務間インターバル制度導入の努力義務は、2019年(平成31年)4月1日から施行されています。
1の場合は、引き続き法の趣旨を踏まえ対応してください。2の場合は、従業員の健康確保とワーク・ライフ・バランスの向上を図るため、勤務間インターバル制度の導入に向けた取組を行うよう努めてください。
基本情報
勤務間インターバル制度とは、1日の勤務終了後、翌日の出社までの間に、一定時間以上の休息時間(インターバル時間)を確保する仕組みです。この仕組みを導入することで、従業員の十分な生活時間や睡眠時間を確保しようとするものです。
2019年(平成31年)4月1日より改正労働時間等設定改善法が施行され、前日の終業時刻から翌日の始業時刻の間に一定時間の休息を確保する勤務間インターバル制度導入が事業主の努力義務となりました。これにより、事業主は従業員の健康確保とワーク・ライフ・バランスの推進のために、「勤務間インターバル制度」の導入に向けた取組を行うことが求められます。
参考・支援情報
●労働時間等見直しガイドライン(労働時間等設定改善指針)
厚生労働省が公表している労働時間等見直しガイドラインでは、労働者がよりよい環境で働くために、事業主等が適切に対処するための必要事項を定めています。勤務間インターバルについて、同ガイドラインには「労働者の生活時間や睡眠時間を確保し、労働者の健康の保持や仕事と生活の調和を図るために有効であることから、その導入に努めること。なお、当該一定時間を設定するに際しては、労働者の通勤時間、交代制勤務等の勤務形態や勤務実態等を十分に考慮し、仕事と生活の両立が可能な実効性ある休息が確保されるよう配慮すること。」とされています。

パンフレット ワーク・ライフ・バランスの実現のためには、労使の自主的な取組が重要です。
https://www.mhlw.go.jp/content/000493467.pdf

労働時間等見直しガイドライン
https://www.mhlw.go.jp/content/000504226.pdf

●時間外労働等改善助成金(勤務間インターバル導入コース)
勤務間インターバルの導入に取り組む中小企業事業主を支援するため、一定の要件を満たす事業主が、休息時間を「9時間以上」とする勤務間インターバルを導入等した場合に、取組実施に要した経費の一部が助成されます。

パンフレット 「時間外労働等改善助成金」勤務間インターバル導入コースのご案内
https://www.mhlw.go.jp/content/000581484.pdf

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【フレックスタイム制】
多様で柔軟な働き方ができるようフレックスタイム制の改正がされましたが、その内容を検討し、対応していますか。


評価コメント
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 フレックスタイムの清算期間の上限が、従前の1か月から3か月に拡大しました。清算期間が1か月を超えるフレックスタイム制を導入するか否かは労使間で協議することが必要です。したがって、1の場合は、引き続き法違反にならないようにご留意ください。2の場合は新制度のメリットとデメリットを踏まえて労使間での協議を行いご検討ください。施行日は2019年(平成31年)4月1日です。
基本情報
1 フレックスタイム制の意味
 フレックスタイム制は、始業・終業の時刻が各労働者に委ねられるため、労働者は清算期間における日々の労働時間を調整して、所定総労働時間就労すればよいという制度です。
 この制度は、労働者にとっては、あらかじめ働く時間の総量(総労働時間)を決めたうえで、日々の出退勤時刻や働く長さを自分で自由に決定することができることから、仕事とプライベートを自由に配分することができるため、生活と仕事とのバランスがとりやすくなるというメリットがあります。
 特に共働きで子育てをしている労働者にとってはワークライフバランスが実現しやすい制度です。また、通勤ラッシュがあるようなところだとその回避にも利用できます。また、育児・介護などを行う労働者にフレックスタイム制を適用することも育児・介護をしつつ就労することを容易にする措置の1つとして挙げられています(育児介護休業法23条、同規則74条2項1号)。
 しかし、フレックスタイム制をとった場合、一人一人の勤務記録の管理が煩雑になりますし、取引先や社内の人とのコミュニケーションが取りづらかったり、会議に必要な人が集まらなかったりするといったこともあります。労働者にとっても、ある程度時間についてのマネジメント能力を持っていて自己管理ができないとうまく活用できない可能性があります。
所定始業時刻から所定終業時刻までグループで作業をすることが必要な職種などではフレックスタイム制をとると業務に支障が生じてしまいますので、それにふさわしい職種に限定されます。

2 清算期間の上限の延長(労基法32条の3第1項)
 改正労基法では、清算期間の上限が従前は1か月であったものが3か月に延長されました。清算期間を長くすることによって、ワークライフバランスを取りやすくなりました。例えば、清算期間を延長することで、子育ての親が清算期間である6月から8月までの間のうち、子供の夏休みに当たる8月の労働時間を短くして他の月の労働時間を増やすことにより、夏休みに子どもと過ごす時間を長くすることができます。
 改正内容のイメージは、次の図のとおりです。



3 フレックスタイムによる過重労働の防止(労基法32条の3第2項)
 フレックスタイムにおける清算期間を長くすることによって、労働時間の偏りが大きくなり、ある時期には長時間労働となってしまうおそれも出てきました。そこで、清算期間が1か月を超え3か月以内である場合には、当該清算期間をその開始の日以後1か月ごとに区分した期間ごとに各期間を平均し、1週間当たりの労働時間が50時間を超えない範囲内で、労働できることとされています。つまり、1か月平均で週50時間を超えない部分だけをフレックスタイムにより労働させることの限度としています。1か月平均週50時間を超えた部分は法定時間外労働となり(改正労基法32条の3第2項)、1か月毎に割増賃金の支払が必要となります。
 そうすると、1か月を超える清算期間のフレックスタイム制における法定時間外労働は、①月間で週平均50時間を超過した時間及び②清算期間を通じて法定労労働時間の総枠を超過した時間(既に①で計算した時間を除く)となります。また、フレックスタイム制をとる場合であっても、時間外労働には改正された上限規制が働きます。例えば、時間外労働と休日労働を含めて、単月100時間未満、複数月平均80時間以内(改正労基法36条6項)でなければなりません。

4 清算期間が1か月を超える場合の労使協定の締結及び届出( 改正労基法32 条の3 第4項 ・改正労基則12条の 3)
清算期間が1か月以下のフレックスタイム制については、労使協定を所轄労働基準監督署へ届け出る必要はありませんが、清算期間が1か月を超えるものについては、労使協定に有効期間の定めをするとともに、 改正労基則様式第3号の3 により、当該労使協定を所轄労働基準監督署長に届け出なければならなくなりました。
これに違反して届出をしないと、罰則( 30 万円以下の罰金)が科せられるおそれがあります(労基法120条1号)。

 清算期間が3月超のフレックスタイムのモデル例は下記のとおりです。



5 フレックスタイム制の要件
 フレックスタイム制をとる場合、次のような要件が必要になります(労基法32条の3、労基則12条の3)。
(1)就業規則等で、始業・終業の時刻を労働者の決定に委ねることを明示すること。

(2)労使協定により、次の事項を定めること。
 ① 対象となる労働者の範囲
 ② 清算期間(3か月以内)
 ③ 清算期間中の総労働時間(清算期間における所定労働時間)
 ④ 標準となる1日の労働時間
 ⑤ コアタイム(定めるかどうかは任意)
 ⑥ フレキシブルタイムの範囲(定めるかどうかは任意)
 ⑦ 労使協定の有効期間(清算期間が1か月超の場合のみ)

(3)清算期間が1か月超の労使協定は所轄労働基準監督署へ届け出ること
参考・支援情報
● フレックスタイム制における時間外労働
 フレックスタイム制を導入した場合、労働者が日々の労働時間を自ら決定することになりますので、ある日・ある週に1日8時間・週 40 時間という法定労働時間を超えて労働した日や週があっても、ただちに時間外労働とはなりません。また、逆に、標準となる1日の労働時間に達しない日があっても、その時間が欠勤となるわけではありません。フレックスタイム制では、清算期間における実際の労働時間のうち清算期間における労働時間の総枠を超えた時間が時間外労働となります。
 例えば、1か月単位のフレックスタイム制をとって、労働時間の総枠として、「7時間×当該月の所定労働日数」との労使協定があった場合に、ある月の暦日が30日、所定労働日数が22日であったとすれば、その月の総労働時間は154時間となります。これを超える時間が時間外労働となります。
 ただ、これが全部法定時間外労働時間となるわけではなく、法定労働時間の総枠は次の計算式で導かれます。これを超えた時間が法定時間外労働となります。これを超える時間労働させるためには36協定が必要となります。

清算期間における法定労働時間の総枠
=1週間の法定労働時間(40時間)÷7日×清算期間の暦日数
30日の月だと、法定総労働時間の総枠は171.4時間となります。

 この例で、154時間を超えて171.4時間までの労働には労使協定または就業規則で定められた割増率の賃金が支払われ、171.4時間を超える労働には2割5分増(231.4時間を超える労働に対しては5割増し)の割増賃金の支払が必要となります。

● 清算期間の総労働時間の過不足
 フレックスタイム制をとった場合、所定総労働時間と実際の労働時間との間に過不足が生ずることがあります。
 そこで、清算期間における実労働時間が所定の総労働時間より多い場合には、不足した賃金を追加して支払う必要が出てきます。他方で、清算期間における実労働時間が所定の総労働時間よりも少ない場合には、その不足した時間分の賃金を控除するか、不足した労働時間を翌期の清算期間に繰り越して、その時間分を加算して労働させることになります(ただし、翌期の清算期間の本来の所定総労働時間と合計して、法定労働時間の総枠を超えてはならない)。これを図示すると、次のとおりです(出典:厚生労働省HP)。
 ※省略

● 労働時間の把握義務
 フレックスタイム制を取っても、使用者が労働時間を把握しなくてもよいということにはなりません。実労働時間を把握して、適切な労働時間管理や賃金清算を行う必要があります。使用者はフレックスタイム制を取っている労働者の各日の労働時間を把握しなければなりません。

● 週休2日制をとるフレックスタイム制の矛盾点の解消(労基法32条の3第3項)
 これまで、完全週休2日制の事業場でフレックスタイム制を導入した場合、1日8時間相当の労働であっても、曜日のめぐりによって 、清算期間における総労働時間が、法定労働時間の総枠を超えてしまう場合が出てくる不都合がありました。例えば、1か月を清算期間とした場合、休日が土、日の事業場で、31日の月の1日が月曜日の場合(土日以外の休日がないとして)、所定就労日は23日となります。標準となる1日の労働時間が8時間とするフレックスタイム制だと、清算期間の総労働時間は、8時間×23日=184時間でした。これは、法定労働時間の総枠(177.1時間)=40時間×31/7を超えてしまい、完全週休2日制で残業のない働き方をしたにもかかわらず、時間外労働が発生することとなり、 36 協定の締結や割増賃金の支払いが必要となっていました。
 この不都合を解消するため、完全週休2日制の事業場において、労使協定により、所定労働日数に8時間を乗じた時間数を 清算期間における 法定労働時間の総枠とすることができるようにしたものです。

● 清算期間が1か月を超える場合、フレックスタイム制により労働させた期間が当該清算期間よりも短い労働者に係る賃金の取扱い( 改正労基法32 条の3の2関係)
 清算期間が1か月を超える場合において、当該期間の途中での退職などでフレックスタイム制により労働させた期間が当該清算期間よりも短い労働者については、当該労働させた期間を平均して1週間当たり40 時間を超えて労働させた時間がある場合、その時間については労基法 37 条の規定の例により、割増賃金を支払わなければなりません。

● 労使協定で定める事項
 フレックスタイム制を採用するにあたって、労使協定で定めるべき事項は説明しましたが、それぞれの内容は次のとおりです。

① 対象となる労働者の範囲 事業所ごと、部署ごと、職種ごとに定めてもかまいません。

② 清算期間
 清算期間は、従前は1か月以内とされていましたが、改正法で3か月以内となりました。これが今回の法改正の一つです。

③ 清算期間中の総労働時間
 清算期間中の総労働時間とは、フレックスタイム制において、労働契約上労働者が清算期間において労働すべき時間として定められている時間のことで、これはいわゆる所定労働時間のことです。そして、清算期間における総労働時間を定めるに当たっては、法定労働時間の総枠の範囲内としなければなりません。例えば1か月単位とした場合、30日の月では法定労働時間の総枠は171.4時間です。この法定労働時間を超えた時間に対しては労基法37条に定める割増賃金の支払が法律上強制されています。なお、所定労働時間の総枠を超えて法定総労働時間の総枠までの間の時間に対しては、1.0で支払うかそれ以上の割増率で支払うかは労使協定や就業規則等の定めによります。

④ 標準となる1日の労働時間
 これは、年休を取得した際における年休手当や使用者の責に帰すべき休業の場合における休業手当の計算の基礎となるもので、これは、清算期間における総労働時間を期間中の所定労働日数で割った時間を基準として定めることになります。

⑤ コアタイム(定めるかどうかは任意)
 労働者が1日のうちで必ず働かなければならない時間帯です。これを設けるかどうかは自由ですが、これを設ける場合にはコアタイムの始期・終期を定めなければなりません。
⑥ フレキシブルタイムの範囲(定めるかどうかは任意)
 労働者が自らの選択によって労働時間を決定することができる時間帯です。例えば、始業は午前7時から午前10時の間、終業は午後3時から午後7時の間とするといったものですが、これを設けるかどうかは任意です。
 なお、コアタイムもフレキシブルタイムの範囲も定めない場合には、いつ出勤するかは労働者の自由になりますので、所定時間労働する限りは、出勤日も自由に決定することができてしまいます。このような形態のフレックスタイムは、現実にはよほどの自由裁量がある労働者に限られるでしょう。

⑦労使協定の有効期間
 清算期間が1か月を超える労使協定については、有効期間の定めが必要です。

●フレックスタイム制のわかりやすい解説&導入の手引き
https://www.mhlw.go.jp/content/000476042.pdf
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【産業医・産業保健機能の強化】
産業医・産業保健機能の強化等を図るための法改正が行われていますが、これに対応していますか。


評価コメント
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 改正安衛法では、産業医・産業保健機能の強化等を図るため、産業医を選任しなければならない常時50人以上の労働者を使用する事業場においては、①産業医に対する労働者の健康管理等に必要な情報の提供、②労働者からの健康相談に適切に対応するための必要な体制の整備、③産業医の業務の内容等の周知などが必要となりました。
産業医の選任義務のない事業場においても、上記に準じた措置が努力義務とされています。
施行日は2019年(平成31年)4月1日です。
産業医を選任しなければならない事業場においては、1の場合は、引き続き法違反にならないようにご留意ください。2の場合は、事業者と産業医で今回の法改正の内容を相互に確認し、早急に対応することが必要です。
 産業医の選任義務のない事業場においても、これに準じた取組に努めてください。
基本情報
●産業医の選任
 職場において労働者の健康管理等を効果的に行うためには、医学に関する専門的な知識が不可欠なことから、事業者は常時50人以上の労働者を使用する事業場ごとに、医師のうちから産業医を選任し、労働者の健康管理等を行わせなければなりません。(安衛法13)
 また、選任された産業医は、労働者の健康管理等を行うのに必要な医学に関する知識に基づいて、誠実にその職務を行わなければならないとされており、その知識・能力の維持向上に努めなければなりません(改正安衛法13条3項)。
なお、事業者は、産業医が辞任したとき又は産業医を解任したときは、遅滞なくその旨・その理由を衛生委員会又は安全衛生委員会に報告しなければなりません(改正安衛則13条4項)。

●産業医・産業保健機能の強化
ア 改正安衛法では、産業医・産業保健機能の強化等を図るため、産業医を選任しなければならない常時50人以上の労働者を使用する事業場においては、
 ①産業医に対する労働者の健康管理等に必要な情報の提供、
 ②労働者からの健康相談に適切に対応するための必要な体制の整備、
 ③産業医の業務の内容等の周知
 などが義務付けられました(改正安衛法13条4項)。
イ 常時50人未満の労働者を使用する事業場
 常時50人未満の労働者を使用する事業場では、産業医の選任義務はありませんが、①医師又は保健師に対する労働者の健康管理等に必要な情報の提供、②労働者の健康管理等を行うのに必要な医学に関する知識を有する医師又は保健師の労働者への周知、③それらの医師又は保健師の業務の内容等の周知に努めることとされています(改正安衛法13条の2)。

●産業医の職務・権限と産業医に対する情報提供
1 産業医の職務は、
①健康診断、面接指導等の実施及びその結果に基づく労働者の健康を保持するための措置、作業環境の維持管理、作業の管理等労働者の健康管理に関すること。
②健康教育、健康相談その他労働者の健康の保持増進を図るための措置に関すること。
③労働衛生教育に関すること。
④労働者の健康障害の原因の調査及び再発防止のための措置に関すること。
とされており、事業者は、産業医に①から④までの事項をなし得る権限を与えなければなりません。
 また、今回の改正により、産業医に付与すべき権限として
① 事業者又は総括安全衛生管理者に対して意見を述べること
② 労働者の健康管理等を実施するために必要な情報を労働者から収集すること。
③ 労働者の健康を確保するため緊急の必要がある場合において、労働者に対して必要な措置をとるべきことを指示すること
が含まれることが明らかにされました(改正安衛則14条の4)。
2 産業医が労働者の健康確保のためにより一層効果的な活動を行えるように、事業者は 産業医に対し、
① 健康診断の結果等に基づき講じた又は講じようとする措置の内容
② 時間外・休日労働時間が1月当たり80時間を超えた労働者の氏名と労働時間
③ 労働者の業務に関する情報
 を提供しなければならなくなりました(改正安衛法13条4項)。
3 産業医は労働者の健康管理等に関し事業者に勧告することができますが、勧告をしようとする際には、あらかじめ、勧告の内容について事業者の意見を求めることとされました。
 また、 事業者は、勧告を受けたときは、勧告の内容・勧告を踏まえて講じた措置の内容(措置を講じない場合はその旨・その理由)を記録し、これを3年間保存しなければならなくなりました。(改正安衛則14条の3)

●産業医と衛生委員会の関係強化
1 事業者は、産業医から勧告を受けたときは、勧告を受けた後、遅滞なく勧告の内容、勧告を踏まえて講じた措置又は講じようとする措置の内容(措置を講じない場合にあってはその旨・その理由)を衛生委員会等に報告しなければなりません(改正安衛法13条6項)。
2 産業医は、衛生委員会等に対して、労働者の健康を確保する観点から、必要な調査審議を求めることができます(改正安衛則23条5項)。
3 事業者は、安全委員会・衛生委員会等の開催の都度、これらの委員会の意見・当該意見を踏まえて講じた措置の内容・これらの委員会における議事で重要なものを記録し、これを3年間保存しなければなりません(改正安衛法23条4項)。

●相談体制の整備
 事業者は、産業医等が労働者からの健康相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の必要な措置を講じるように努めなければなりません(改正安衛法13条の3)。
 具体的には、産業医の業務の具体的な内容、産業医による健康相談の申出の方法(健康相談の日時・場所等)、産業医等による労働者の心身の状態に関する情報の取扱いの方法を労働者に周知させなければなりません。
参考・支援情報
厚生労働省作成リーフレット
https://www.mhlw.go.jp/content/000497962.pdf
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【派遣労働者の公正な待遇の確保】
派遣労働者に対する公正な待遇の確保を図るための対策を強化する法改正がされていますが、派遣先としてこれに対応していますか。


評価コメント
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 派遣先が、派遣労働者を受け入れる場合には、派遣元事業主への待遇情報の提供が義務となり(26条7項、8項、労働者派遣則24条の3~24条の5)、その情報提供がなければ労働者派遣契約を締結できないこととなります(26条9項)。また、派遣料金について、派遣元事業主による待遇改善が行われるよう配慮しなければなりません(26条11項)。さらに、給食施設、休憩室、更衣室の利用機会の付与についても派遣先の義務になります(40条3項)。この改正労働者派遣法は2020年(令和2年)4月1日から施行されます。
そのため、派遣労働者を受け入れるとき、1の場合は引き続き改正内容を踏まえて対応してください。2の場合には、改正法施行までに対応できるように計画的に取組を進めてください。
基本情報
 派遣先均等・均衡方式の場合は、派遣元事業主に対しては、派遣労働者について、①派遣先の労働者との間の不合理な待遇差や②職務内容・人材活用仕組みが同一である派遣労働者について正当な理由のない不利益取扱い、が禁止されました(改正労働者派遣法30条の3第1項、30条の3第2項)。これらの均等・均衡待遇の義務などを派遣元事業主が履行するにあたっては、派遣先からの情報の入手が不可欠です。そこで、派遣先は、「派遣労働者が従事する業務ごとの比較対象労働者の賃金その他の待遇に関する情報」を、派遣契約を締結する際にあらかじめ派遣元事業主に提供しなければならないこととされています(派遣法26条7項、8項、派遣則24条の3~24条の5)。この情報提供が確実に行われない場合、均等・均衡待遇が確保されない可能性があるため、派遣先からこの情報提供がないときには、派遣元事業主は労働者派遣契約を締結してはならないこととされています(派遣法26条9項)。また、派遣料金について、派遣元事業主による待遇改善が行われるよう配慮しなければなりません(26条11項)。さらに、給食施設、休憩室、更衣室の利用機会の付与については派遣先の義務になる(40条3項)など、派遣先に対しても改正労働者派遣法による義務規定が新設されていますので、派遣先としてもこれら規定を遵守する必要があります。
参考・支援情報
●派遣労働者の均等・均衡待遇(派遣先労働者との均等・均衡方式)
 派遣労働者にも、正規労働者との間の不合理な待遇の相違が禁止されます。ここで「正規労働者」というのは、派遣労働者が現実に就労する派遣先の通常の労働者のことです。派遣元事業主は、その雇用する派遣労働者の基本給、賞与、その他の待遇のそれぞれについて、派遣先に雇用される通常の労働者と比較して、派遣労働者に不合理な相違を設けることはできません(改正労働者派遣法30条の3第1項)(均衡待遇)。これは、①職務の内容、②職務の内容・配置の変更の範囲、③その他の事情のうち、当該待遇の性質及び目的に照らして適切と認められるものを考慮して判断されることになります。また、派遣先の正規労働者と上記①②が同一である場合、派遣労働者の待遇を、派遣先の正規労働者と比較して、正当な理由なく不利なものとすることはできません(均等待遇)。
 なお、均等待遇については、②は、「当該派遣先における派遣就業が終了するまでの全期間」における派遣労働者の職務の内容及び配置の変更の範囲と派遣先の正規労働者の職務の内容及び配置の変更の範囲を比較するというように、派遣労働者に特有の限定が加わっています(改正労働者派遣法30条の3第2項)。

●労使協定による待遇(労使協定による一定水準を満たす待遇決定方式)
 他方で、派遣労働者の賃金などの待遇について、一定の要件を満たす労使協定による場合には上記派遣先労働者との均等・均衡方式が適用されないこととなりました。
 派遣労働者は、派遣先均等・均衡方式を適用したとき、派遣先が変わるたびに派遣労働者の待遇の変更が行われることになりかねません。そこで、労使協定により待遇を決定するという方式が認められています。この方式の場合、一定水準以上の賃金であることなどの要件があります(改正労働者派遣法30条の4、同規則25条の6~25条の12)。この労使協定は、派遣元の過半数労働組合、当該組合がない場合には過半数代表者と派遣元が締結するもので、この協定内容として特に重要なのが賃金の決定に関して、「イ 派遣労働者が従事する業務と同種の業務に従事する一般の労働者の平均的な賃金の額として厚生労働省令で定めるものと同等以上の賃金の額となるものであること」「ロ 派遣労働者の職務の内容、職務の成果、意欲、能力又は経験その他の就業の実態に関する事項の向上があった場合に賃金が改善されるものであること」という要件です(改正労働者派遣法30条の4第1項2号)。
 この協定の対象となる労働者であるか否かは、派遣先の情報提供の内容に関係する重要な事項であるため、派遣元は派遣先に、当該労働者が協定対象労働者であるかいなかを通知すべきこととなりました(改正労働者派遣法35条1項2号)。
労使協定方式をとる場合の「同種の業務に従事する一般の労働者の平均的な賃金の額」につが2019年(令和元年)7月8日に発表されました。下記を参照してください。

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000077386_00001.html

●派遣元事業主の説明義務
 派遣元事業主には、派遣労働者に対し、労基法所定の労働条件の通知のほか、雇い入れ時及び派遣時に均等・均衡待遇に関する措置の説明義務が加わりました(改正労働者派遣法31条の2第2項)。そして、派遣労働者から求めのあった場合には、派遣労働者と派遣先の比較対象労働者との間の待遇の相違の内容及び理由についての説明義務、それに均等・均衡待遇について考慮した事項についての説明義務が、派遣元事業者にあります(同条4項)。

●派遣先の派遣料金についての配慮義務
 派遣労働者の公正な待遇を確保するためには、措置を行うための原資を確保することが必要です。そこで、派遣先は派遣料金について配慮する義務が設けられました(改正労働者派遣法26条11項)。

●就業に関連する派遣先の措置義務の強化
 派遣先が派遣労働者に対して指揮命令権があることから、派遣先での就業が適正になされるように、派遣先にも一定の措置義務が課せられます。
 派遣元事業主からの求めに応じて行う業務に必要な能力を習得することができるようにするための教育訓練は、従前は「実施するよう配慮」であったのが、「実施する等必要な措置を講じなければならない。」と措置義務となりました(40条2項)。
 次に、派遣先の福利厚生施設のうち就労と密接に関連をしている、給食設備、休憩室、更衣室の利用(労働者派遣則32条の3)については、「利用の機会を与えるよう配慮」であったのが、「利用の機会を与えなければならない。」となりました(40条3項)。これは労使協定方式をとる場合にも適用されます。その他の福利厚生施設(診療所等)の利用については、「努力義務」から「配慮義務」となっています(40条4項)。

●指針
 平成30年12月28日厚生労働省告示430号「短時間・有期雇用労働者及び派遣労働者に対する不合理な待遇の禁止等に関する指針」が出されていて、これには派遣労働者に関する部分もあります。
https://www.mhlw.go.jp/content/000473042.pdf
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【中小企業における割増賃金率の猶予措置廃止】
中小企業に対する月60時間超の時間外労働の割増賃金を5割とすることを猶予する措置を廃止する法改正がされていますが、これに対応していますか。


評価コメント
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 2023年(令和5年)4月1日から、中小企業について、月60時間超の残業の割増賃金率が50%に引上げられます。大企業については、すでに2010年(平成22年)4月1日から50%に引き上げられています。
 大企業については、1であれば引き続き法違反にならないようにご留意ください。2の場合は早急な対応が必要です。
 中小企業については、1であれば引き続き法違反にならないようにご留意ください。2であれば計画的に取組をはじめてください。
基本情報
1 2023年(令和5年)4月1日から、中小企業について、月60時間超の残業の割増賃金率が50%に引上げられます。大企業については、すでに2010年(平成22年)4月1日から50%に引き上げられています。


 中小企業の範囲については、「資本金の額または出資の総額」か「常時使用する労働者の数」のいずれかが以下の基準を満たしていれば、中小企業に該当すると判断されます。事業場単位ではなく、企業単位で判断されます。


2 時間外労働について、36協定で、月45時間・年360時間(限度時間)を超える時間外労働時間数を「 臨時的な特別の事情があって労使が合意する場合(特別条項)」には、限度時間を超えた労働に係る割増賃金率を同協定の中で定める必要があります。「36協定で定める時間外労働及び休日労働について留意すべき事項に関する指針」は、限度時間を超える時間外労働については、25%を超える割増賃金率とするように努めなければならないとしています。
参考・支援情報
 無し
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