事業者・労務管理担当の方のQ&A

働き方改革関連

パートタイム労働者、有期雇用労働者、派遣労働者は、同一企業内の正社員との待遇差の内容や理由について、事業主に説明を求めることができるようになると聞きました。この点を教えてください。

今回の法改正において、非正規雇用労働者の待遇に関する事業主の説明義務が強化されました。
まず、現行法は、パートタイム労働者及び派遣労働者に対して、事業主に①雇入れ時における雇用管理上の措置の内容(賃金、教育訓練、福利厚生施設の利用等)の説明義務、②労働者から求めがあった場合における待遇決定に際して考慮した事項に関しての説明義務が規定されていますが、今回の法改正により、有期雇用労働者に対しても、これらの事業主の説明義務が規定されました。
そして、新たに、パートタイム労働者、有期雇用労働者及び派遣労働者から求めがあった場合に、通常の労働者(いわゆる正規雇用労働者及び無期雇用フルタイム労働者)との間の待遇差の内容や理由について、事業主の説明義務が規定されました。加えて、説明を求めた労働者に対する不利益取り扱い禁止の規定が創設されました。
なお、待遇差の理由について説明を求められた場合、待遇差の理由に関する説明は、単に雇用形態が違うという抽象的な理由では不十分であり、比較対象となる通常の労働者とパートタイム労働者・有期雇用労働者及び派遣労働者の①職務の内容、②職務の内容・配置の変更の範囲、③その他の事情(職務の成果、能力、経験など)のうち、個々の待遇の性質・目的に照らして適切と認められるものに基づいて、待遇差を説明することが求められます。

【改正前→改正後】 ○:規定あり ×:規定なし
説明義務等の内容パート有期雇用派遣
雇用管理上の措置の内容(賃金、教育訓練、福利厚生施設の利用など)の説明義務(雇入れ時)○→○×→○○→○
待遇決定に際しての考慮事項の説明義務
(労働者から求めがあった場合)
○→○×→○○→○
待遇差の内容・理由の説明義務
(労働者から求めがあった場合)
×→○×→○×→○
労働者が説明を求めた場合における労働者の不利益取り扱いの禁止×→○×→○×→○
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