整理解雇とはどのようなものですか。整理解雇を行うためにはどのような事情が必要ですか。
使用者が不況などの理由で経営不振となった場合、それを理由として人員削減をするために行う解雇のことを整理解雇といいます。この整理解雇は、労働者に解雇の原因があるわけではなく、使用者側の原因によって解雇されるものですから、かなり厳格な要件が必要です。前問で説明した、解雇には客観的合理的理由と社会通念上の必要性を要するとの原則の一分野を構成します。
整理解雇が有効か無効かは、次に示す事項に照らして判断されます。
判例の概観は以下の通り。
https://www.zenkiren.com/Portals/0/html/jinji/hannrei/shoshi/00630.html
https://www.zenkiren.com/Portals/0/html/jinji/taikei_r/14/big_14.html(中項目5整理解雇)
上記の①ないし④の視点は、かつては、その一つでも欠けた場合には解雇が無効と判断されるとの考え方(4要件説)が有力であったが、近年はこの4点は考慮すべき視点とする考え方(4要素説)が有力とされています。ただ、どちらの説をとっても、結論的にはそれほどの相違はないと考えられています。
なお、事業主は、その事業所において相当数の離職者が発生する場合は、「再就職援助計画」を作成してハローワークの認定を受ける(労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律(以下「労働施策総合推進法」といいます。)24)か、「大量離職届・大量離職通知書」をハローワークに提出する(労働施策総合推進法27)必要があります。事業主は事業規模の縮小などにより一定期間内に相当数の離職者が発生する場合、ハローワークへの届出などの義務を負うことになります。
詳細は以下をご覧ください。
「再就職援助計画」と「大量離職届・大量離職通知書」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/other36/index.html