事業者・労務管理担当の方のQ&A

雇用契約

求人票や求人広告にはどこまで細かく書かなければならないのでしょうか。

使用者としては、ハローワークでの求人票や求人情報誌の求人広告において、求職している労働者にとって、知りたい情報を詳しく、また、誤解ないように明確に記載することが重要です。
このため、求人の申込みや労働者の募集を行う際に書面交付又は電子メール等で明示すべき労働条件については、職業安定法5条の3において次のとおり定められています。

  • ①労働者が従事すべき業務の内容に関する事項
  • ②労働契約の期間に関する事項
  • ③試みの使用期間に関する事項
  • ④就業の場所に関する事項
  • ⑤始業及び終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間及び休日に関する事項
  • ⑥賃金(臨時に支払われる賃金、賞与及び労働基準法施行規則第8条 各号に掲げる賃金を除く。)の額に関する事項
  • ⑦健康保険、厚生年金、労働者災害補償保険及び雇用保険の適用に関する事項
  • ⑧労働者を雇用しようとする者の氏名又は名称に関する事項
  • ⑨労働者を派遣労働者として雇用しようとする旨
  • ⑩就業の場所における受動喫煙を防止するための措置に関する事項

また、求人する事業者が、職業紹介や募集時に明示した労働条件を変更、特定、削除、追加する場合には、求職者に対して変更する労働条件を明示しなければならないとされました(職業安定法5条の3第3項)。
さらに、虚偽の条件を提示して、ハローワーク、職業紹介事業者等に求人の申し込みを行った者は、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金の対象となります(同法65条)

なお、労働契約を締結する際に明示すべき労働条件及び明示の方法については、労基法15に定められています。
また、労使当事者は労働契約の内容について、できる限り書面により確認するものとされています(労契法4)。
さらに、パートタイム労働者・有期雇用労働者に対する労働条件明示事項については追加事項があり、また、派遣労働者に対する説明事項や派遣労働者に明示すべき就業事項についても、別途定められています。

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労働条件の明示の内容・方法

使用者は労働契約の締結に際し、労働条件のうち賃金・労働時間等一定のものについては労働者に明示しなければならないこととされており、そのうちの一定の労働条件については書面を交付して明示する必要があります。
なお、この明示の方法については、労働者の希望がある場合には、FAXや電子メール等の送信による明示が認められています。(ただし、労働者がその電子メール等の記録を出力することにより書面を作成できるものでなければなりません。)(労基法施行規則5)
具体的に明示が義務付けられている事項は次のとおりです。このうち①~⑥までの事項(⑤の昇給に関する事項を除く)が書面の交付による明示が必要で、⑦~⑭までの事項については、使用者がこれを定めないときは明示の必要はありません(労基法15)。
厚生労働省においては、労働条件通知書のモデル様式を作成し、その普及を図っています。

  • ①労働契約の期間
  • ②期間の定めのある労働契約を更新する場合の基準
  • ③就業の場所及び従事すべき業務
  • ④始業及び終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇並びに労働者を二組以上に分けて就業させる場合における就業時転換
  • ⑤賃金(退職手当及び⑧の臨時に支払われる賃金を除く。)の決定、計算及び支払の方法、賃金の締切り及び支払の時期並びに昇給
  • ⑥退職(解雇の事由を含む。)
  • ⑦退職手当の定めが適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算及び支払の方法並びに退職手当の支払の時期
  • ⑧臨時に支払われる賃金(退職手当を除く。)、賞与及び労基則第八条各号に掲げる賃金並びに最低賃金額
  • ⑨労働者に負担させるべき食費、作業用品その他
  • ⑩安全及び衛生
  • ⑪職業訓練
  • ⑫災害補償及び業務外の傷病扶助
  • ⑬表彰及び制裁
  • ⑭休職

労働契約の内容の書面化について

使用者は労働者に提示する労働条件及び労働契約の内容について、労働者の理解を深めるようにし、また労働者及び使用者は、有期労働契約の場合も含め、労働契約の内容については、できる限り書面により確認することとされています(労契法4)。

パートタイム労働者・有期雇用労働者に対する労働条件の明示の内容

パートタイム労働者・有期雇用労働者を雇い入れたときには、労基法15の明示事項に加え、次の事項を文書の交付等により明示しなければならないとされています。

  • ①昇給の有無
  • ②退職手当の有無
  • ③賞与の有無
  • ④パートタイム労働者・有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する事項に係る相談窓口

また、これら以外の事項についても、できるだけ文書の交付等により明示するよう努めることとされています。(パートタイム・有期雇用労働法6)

派遣労働者の待遇に関する説明・明示事項

派遣元事業主は、派遣労働者として雇用しようとする労働者(登録状態にあるいわゆる登録型の派遣労働者、いわゆる常用型の派遣労働者(雇い入れ後に一定期間研修を受講したり、派遣による就業以外の業務を行ったりした後に派遣される者を含む。)も該当)に対し、当該労働者を派遣労働者として雇用した場合における当該労働者の賃金の額の見込みその他の当該労働者の待遇に関する事項等(下記②~⑤)を説明しなければなりません(派遣法31の2①)。併せて、派遣元事業主は、労働契約の締結に際し、事前に、当該労働者に派遣労働者として雇い入れようとする旨(紹介予定派遣に係る派遣労働者として雇い入れる場合にあっては、その旨を含む。)(下記①)を明示しなければなりません(派遣法32①)。
【説明・明示事項】

  • ①労働者を派遣労働者として雇用した場合における当該労働者の賃金の額の見込み、健康保険・厚生年金保険・雇用保険の適用の有無その他の当該労働者の待遇に関する事項
  • ②事業運営に関する事項
  • ③事業運営に関する事項(具体的には、派遣元事業主の会社の概要(事業内容、事業規模等))
  • ④労働者派遣に関する制度の概要
  • ⑤キャリアアップ措置(教育訓練や希望者に対して実施するキャリアコンサルティング)の内容

【説明・明示の方法】
待遇に関する事項等の説明は、書面の交付、ファクシミリを利用してする送信又は電子メールの送信その他の適切な方法(口頭やインターネットによる説明等)により行わなければなりません。
ただし、賃金の額の見込みを説明する場合には、書面の交付若しくはファクシミリを利用してする送信又は電子メールの送信により行わなければなりません。(派遣則25の14①)。

派遣労働者に明示すべき就業条件

労働者派遣をする場合には、派遣労働者に対して労働者派遣契約で定める次の就業条件を明示しなければなりません(労働者派遣法34条)。労働契約締結時点と派遣する時点が同時である場合には、これらを併せて明示することもできます。

  • ①派遣労働者として雇い入れる旨(紹介予定派遣に係る派遣労働者として雇い入れる場合にあっては、その旨を含む。)
  • ②労働者を派遣労働者として雇用した場合における当該労働者の賃金の額の見込み、健康保険、厚生年金保険、雇用保険の適用の有無、その他の当該労働者の待遇に関する事項(賃金の見込みは、一定の幅があっても差し支えないこと)
  • ③労働者派遣法40条の2第1項各号に掲げる業務以外の業務について労働者派遣をする場合にあっては、当該派遣労働者が従事する業務について派遣先が同項の規定に抵触することとなる最初の日

※働き方改革関連法(平成30年7月6日公布)により、労働者派遣法の改正が行われ、派遣労働者に対する雇入れ時及び労働者派遣時の待遇に関する説明義務が強化されています。(施行日:令和2年4月1日)
https://www.mhlw.go.jp/content/000335765.pdf

  • 厚生労働省法令等データベースサービス
  • e-Gov