派遣労働者の均等・均衡待遇について、詳しく教えてください。
派遣労働者の均等・均衡待遇制度は、派遣先に雇用される通常の労働者(無期雇用フルタイム労働者)と派遣労働者との間の不合理な待遇差を解消することを目的としています。
派遣労働者の就業場所は派遣先であり、派遣先における待遇に関する派遣労働者の納得感という観点から、派遣先労働者との均等・均衡は重要です。そこで、働き方改革により、派遣労働者の均等・均衡待遇の確保のため、派遣元事業主に、①派遣先の労働者との均等・均衡方式、②一定水準の待遇の確保のための労使協定方式、のいずれかの措置を行うことが義務化されました。
派遣先労働者との均等・均衡方式は、派遣労働者の待遇と派遣先の通常の労働者との待遇を比較して、派遣先の通常の労働者との間で不合理な待遇差が生じないように、派遣元事業主において派遣労働者の待遇を決定するものです。
まず、派遣先は、派遣契約を締結する際には、派遣労働者が従事する業務ごとに、比較対象労働者の賃金などの情報を派遣元事業主に提供しなければなりません。また、提供した情報に変更があったときは、派遣元事業主に変更の内容を提供しなければなりません。
派遣元事業主は、派遣先の比較対象労働者の賃金等の情報の提供を受けて、派遣労働者と均等・均衡が確保された待遇になるように賃金等の待遇を決定しなければなりません。派遣元事業主は、これらの情報が提供されない限り、派遣契約を締結してはなりません。他方、派遣先は、派遣料金に関して派遣元事業主が法律を遵守できるように配慮しなければなりません。
なお、比較対象労働者とは、派遣先に雇用される通常の労働者等であって、その業務の内容及び当該業務に伴う責任の程度、並びに当該職務の内容及び配置の変更の範囲が派遣労働者と同一であると見込まれる者をいいます。
労使協定方式は、派遣元事業主が、その労働者の過半数で組織する労働組合、当該組合がない場合には労働者の過半数代表者と話し合い、労使協定において、派遣労働者の賃金をその地域の同種の業務に従事する通常の労働者の平均的な賃金以上とすること等を定めた場合は、派遣労働者の待遇をその労使協定の定めによることとするものです。
この方式によるためには、労使協定に次の事項が規定されている必要があります。
なお、教育訓練、福利厚生施設(給食施設、休憩室、更衣室)については、派遣先の通常の労働者との均等・均衡が求められます。
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派遣先均等・均衡方式に関するQ&A(令和元年12月26日公表)