事業者・労務管理担当の方のQ&A

パート・有期・派遣

派遣労働者の待遇等に関する説明義務について、詳しく教えてください。

派遣元事業主は、派遣労働者を派遣する際に、不合理な待遇差を解消するために講ずることとしている措置の内容を説明しなければならないと聞きました。また、派遣労働者から求めがあった際には、待遇の相違の内容などを説明しなければならないとも聞きます。この点を教えてください。

派遣元事業主は、派遣労働者を雇用する際に、労働条件に関する事項について明示するとともに、不合理な待遇差を解消するために講ずることとしている措置等について説明することが求められます。

また、労働者の派遣を行う際にも、不合理な待遇差を解消するために講ずることとしている措置の内容を、説明しなければなりません。

さらに、派遣労働者から待遇について説明を求められた際には、待遇決定方式に応じた説明が必要です。

具体的には、派遣先均等・均衡方式の場合は、派遣労働者と派遣先の比較対象労働者の待遇の相違の内容と待遇の相違の理由を説明しなければなりません。
また、労使協定方式の場合には、協定対象労働者の賃金が、派遣労働者が従事する業務と同種の業務に従事する一般労働者の平均的賃金の額と同等以上であるものとして労使協定に定めたものであることや、労使協定に定めた公平な評価の内容に基づき決定されていることのほか、賃金を除く待遇について説明しなければなりません。

・派遣労働者の雇入れ前の派遣元事業主の説明義務

派遣元事業主は、派遣労働者として雇用しようとする労働者に対し、当該労働者を派遣労働者として雇用した場合における当該労働者の賃金の額の見込みその他の当該労働者の待遇に関する事項等を説明しなければなりません(労働者派遣法第31条の2①)。

・派遣労働者を雇い入れる際の派遣元の説明義務

派遣元事業主は、労働者を派遣労働者として雇い入れようとするときは、あらかじめ、労働者に対し、文書の交付等により、昇給の有無、退職手当の有無、賞与の有無、協定対象派遣労働者であるか否か、派遣労働者から申出を受けた際の苦情の処理に関する事項を明示しなければなりません(労働者派遣法第31条の2②)。
併せて、待遇確保のための措置などについて、説明しなければなりません(労働者派遣法第31条の2②)。

・派遣労働者を派遣先均等・均衡方式により派遣しようとする際の説明義務

派遣元事業主は、労働者派遣(労使協定に係るものを除く)をしようとするときは、あらかじめ、労働者派遣に係る派遣労働者に対し、文書の交付等により、賃金の決定等や休暇に関する事項、労働条件に関する事項(労基法第15条に基づく事項の他、昇給の有無、退職手当の有無、賞与の有無、労使協定の対象となる派遣労働者であるか否か)を明示し、待遇確保のための措置などについて説明しなければなりません(労働者派遣法第31条の2③)。

・派遣労働者を、労使協定方式により派遣しようとする際の説明義務

派遣元事業主は、労使協定方式により派遣しようとする際には、労使協定の対象となる派遣労働者であるか否か、対象となる労使協定の有効期間の終期について明示するとともに、待遇確保のための措置などについて説明しなければなりません。

・派遣労働者からの求めに応じた説明義務

派遣元事業主は、その雇用する派遣労働者から求めがあったときは、当該派遣労働者に対し、当該派遣労働者と労働者派遣法第26条⑧に規定する比較対象労働者との間の待遇の相違の内容及び理由、労働者派遣法第30条の3から第30条の6までの規定により措置を講ずべきこととされている事項に関する決定をするに当たって考慮した事項を説明しなければなりません。

派遣先均等・均衡待遇方式の場合は、派遣労働者と派遣先の比較対象労働者の待遇の相違の内容として①派遣労働者と比較対象労働者の待遇のそれぞれを決定するにあたり考慮した事項の相違の有無、②派遣労働者と比較対象労働者の待遇の「個別具体的な内容」または「実施基準」について説明しなければなりません。また、待遇の相違の理由についても、派遣労働者及び比較対象労働者の職務の内容・配置の変更の範囲、その他の事情の内、待遇の性質及び待遇を行う目的に照らして適切と認められるものに基づいて説明しなければなりません。
労使協定方式の場合、派遣労働者が従事する業務と同種の業務に従事する一般労働者の平均的な賃金額と同等以上であるとして労使協定に定めたこと、労使協定に定めた公正な評価の内容に基づき、協定対象派遣労働者の賃金が決定されていることについて説明しなければなりません。また、協定対象派遣労働者の待遇(賃金、教育訓練、福利厚生施設を除く)が、派遣元事業主に雇用されている通常の労働者(派遣労働者を除く)との間で不合理な相違がなく決定されていること等について、派遣先均等・均衡方式の場合の説明内容に準じて説明しなければなりません。

・説明を求めたことを理由とする不利益取扱の禁止

派遣元事業主は、派遣労働者が説明を求めたことを理由として、解雇その他不利益な取扱をしてはなりません。(労働者派遣法第31条の2⑤)

また、派遣労働者だけでなく、パートタイム労働者・有期雇用労働者についても、正社員との均等・均衡待遇が求められており(パートタイム・有期雇用労働法第8条・第9条)、派遣労働者と同様の説明義務が事業主に課せられております。

・雇い入れる際及び更新する際の説明義務

事業主は、パートタイム労働者・有期雇用労働者を雇い入れたときは、雇用管理の改善などに関する措置の内容を説明しなければなりません(同法第14条第1項)。

・求めに応じた説明義務

事業主は、パートタイム労働者・有期雇用労働者から求めがあったときは、正社員との待遇の相違の内容、その理由、その待遇を決定するに当たって考慮した事項を説明しなければなりません(同法第14条第2項)。

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