外国人技能実習生にも、労基法等の労働関係法令は適用されるでしょうか?通常の労働者への適用と異なるところがあるのでしょうか?
労基法等労働関係法は、外国人・不法入国者・不法滞在者(在留資格を超えて活動している者を含む)であっても、雇用されて働いている場合には、日本人と同様に適用されます。外国人技能実習生は実習実施機関と雇用契約を締結するので、労基法等労働関係法は適用されます。ただし、団体監理型の技能実習生が入国当初に受ける座学による講習期間中は、雇用されて働いているという実態にないため、適用されません。
また、農業に従事する技能実習生には、一般の労働者と同様に、労働時間・休憩・休日に関する労基法の規定は適用されていません。しかしながら、農林水産省通達において、農業分野における技能実習生について、労働時間等について、労働基準法の規定に準拠するとしています。また、法定労働時間を超えた実習時間で技能実習計画認定申請した場合は、外国人技能実習機構より指導を受ける可能性があります。さらに、認定された技能実習計画に反して「残業」を行わせた場合、あるいは、(割増)賃金不払いは、指導や認定取消等の対象となる場合があると考えられます。さらに、労働者5人未満の個人経営の農業であっても技能実習生は、労災保険等への加入することとなっています。
外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護を図るため、技能実習に関し、基本理念を定め、国等の責務を明らかにするとともに、技能実習計画の認定及び監理団体の許可の制度を設け、これらに関する事務を行う外国人技能実習機構を設ける等の措置が講じられています。
また、技能実習生に対する人権侵害行為等について、禁止規定を設け違反に対する所要の罰則を規定するとともに、技能実習生に対する相談や情報提供、技能実習生の転籍の連絡調整等を行うことにより、技能実習生の保護等に関する措置が講じられています。
技能実習制度の拡充も図られ、実習期間は原則3年までのところ、平成29年11月からは優良な実習実施者及び監理団体に限定して、第3号技能実習生の受け入れ(4~5年目の技能実習の実施)が可能となった。その条件は、次のとおりです。
令和6年6月に成立した「出入国管理及び難民認定法及び外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律の一部を改正する法律」により、「外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律」が改正され、現行の技能実習が廃止され、これに代わる新たな在留資格として育成就労の在留資格を創設し、特定産業分野の相当程度の知識又は経験を必要とする技能を有する人材を育成するとともに、当該分野における人材を確保することとされました。施行は、公布から3年以内とされています。