就業規則に書いてある事項と労働者個人と結んだ労働契約に異なる事項があるときにはどちらが優先するのですか?
就業規則に記載されている事項に違反する労働契約を締結したとしても、就業規則の基準に達しない労働条件を定める労働契約は無効となり、無効となった部分は就業規則に定める基準によることになります(労契法12条)。これを就業規則の最低基準効といいます。したがって、この場合には就業規則が優先されます。他方で、就業規則の基準を上回る労働条件を定めた場合には、その部分は就業規則による影響を受けず、労働契約で定められた労働条件によることになります(労契法7条ただし書き)。
なお、就業規則は、法令や労働協約に違反してはならず、就業規則と労働協約が異なる場合には、労働協約が優先して適用されます(労組法16条、労基法92条、労契法13条)。